《シニアに優しい》インストラクターにこだわる理由は?
「パソコンの考え方になじめない」「キーボードやマウスなどの入力装置が使いにくい」「モニターの文字が見づらい」「必然性を感じない」―シニアがパソコンを敬遠する主な理由です。難しさを感じさせない考え方ができれば、パソコンを活用するシニアはもっと増えてくでしょう。
私たちは、シニアの特性を理解して、シニアと情報技術(IT=アイティ)の橋渡しができる人材が必要だと考え、このプログラムをスタートしました。
JPITA検定公認インストラクターの役割
パソコンインストラクターの仕事は《アプリケーションソフトの機能を教えること》でしょうか?覚えきれないほどの知識を詰め込もうとしていませんか?
JPITA検定が求めるインストラクターは、パソコンを学ぶ人に「楽しい!」「あっ、わかった!」という感動を体験させてあげられる人です。「パソコンを活用することで、この方の人生をもっと豊かにしていただこう」という想いをカリキュラムや教え方に込められる人です。
シニア初心者の現状
政府が進めている「電子自治体構想」により、私たちは、行政サービスをもっと便利に利用したり、行政への参加も容易になるはずです。他にも、ITを活用した地域医療相談サービスなど、ITの活用により、私たちの暮らしはますます便利になっていきます。
地域で生活する時間が長くなるシニアは、IT活用能力を身につけることで、さらに充実したセカンドライフを手に入れることができるはずです。
ところが、シニアの中には、ITアレルギーの方やIT活用スキルを習得する機会が無かった方が多いのが現状です。街には数え切れないほどのパソコン教室があり、自治体のIT講習会も行われています。
それにもかかわらず、パソコンがわからない、難しい、という声がシニアから聞こえてくるのはなぜでしょう?
シニア初心者の多くは、「パソコンは苦労して習得するもの」だと感じています。「パソコン教室やIT講習会に参加したらパソコンが嫌いになった」「インストラクターの説明が理解できなかった」「パソコン用語は難しくて理解できない」「キーボードを触るのが怖い」など、現状のパソコンや学習法は、シニア初心者に『パソコン=難解なもの』という印象を与えてしまっています。
シニア初心者の多くが「パソコン=難解」と感じるのは、機能優先で初心者の使いやすさを犠牲にしているパソコンそのものにも原因がありますが、難しいマニュアルや意味不明な専門用語を多用するインストラクターの話し方や接し方、学習意欲を喚起できない均一なカリLュラムも大きな要因だと考えています。
21世紀の日本は「eワークでeライフ」社会になる
「ブロードバンドネット」で家庭生活IT化の突破口が開かれ、21世紀の日本は、「どこでもいつでもコンピュータを活用できるユビキタス社会」になると言われています。
生活環境はIT化され、情報家電やインターネットを日常的に利用する「eライフ」を送り、在宅労働「eワーク」が普及し、eワークとeライフは会社中心社会から家族・地域・個人の領域に活動の軸足を移す機会を私たちに与えてくれるようになるのです。(2002年情報化白書より一部抜粋)
しかし、そのような社会では、IT活用能力によって豊かな暮らしを手に入れる人たちがいる一方で、ITを活用できる人とできない人との情報格差(デジタルデバイド)が表面化します。
IT講習会が新たな学習層を作りだす
21世紀には、デジタルデバイドが新たな社会差別を作るとも言われおり、この情報格差をなくすために様々な対策が採られています。各自治体が行っている「地域IT講習会」もその一環です。
IT講習会は政府の施策として無料で実施されていますが、参加者からは、「もっとじっくり教えて欲しい」「マンツーマンか少人数で教えて」「進め方をゆっくり」「レベル別のクラス分けを!」などの声があがっています。つまり、IT講習会で十分なのではなく、講習会が新たなIT学習の需要を作り出しているのです。
シニア学習者の特徴
特にシニアの場合は、「たくさんの人の中で自分だけわからないのは恥ずかしい」「ついていけないのではないか」という心理的なバリアのために、パソコンをやりたくてもきっかけがつかめない方がたくさんいます。また、加齢による身体機能の衰えにより、「マウスをうまく動かせない」「モニターが見えにくい」「ダブルクリックやドラッグができにくい」など特有の問題も生じます。
このような、シニア学習者の心理的・身体的特徴を理解し、一人一人に最適な教育を提供できるインストラクターが、今、求められているのです。